研究概要

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-基礎工を高度化する技術
  • 近年,わが国では,基礎工の設計を許容応力度法から限界状態設計法へと移行しようとしています。このためには,地盤の強さだけでなく変形の仕方を考慮した評価法の確立が重要となります。また,一方で環境に負荷を与えないより合理的で経済的な基礎形式の開発も強く求められる時代となっています。このような状況の中で,当研究室では,基礎工を高度化する技術やそれを評価する方法の開発を行なってきています。
最近の研究テーマ
地盤の圧縮性を考慮した杭の支持力評価に関する研究(平成2年度~)
無俳土化を目指した合理的な杭形式とその支持力評価(平成10年度~)
非線形破壊線を考慮した支持力評価法と限界状態設計法への展開(平成16年度~)

■ 地盤の圧縮性を考慮した杭の支持力評価に関する研究(平成2年度~)

  • 通常の地盤材料は、拘束圧の増大に伴って内部摩擦角は減少し、その圧縮性も増大することが知られています。このような材料特性の変化は、地盤の支持力特性に影響を与え、特に、この影響は破砕性の卓越した材料ほど顕著であることが報告されています。本研究では、破砕性地盤を対象とした杭の支持力特性について検討するもので、地盤の圧縮性を考慮することの重要性を指摘するものである。ここでは、地盤の圧縮性を陽な形で取り入れた杭の極限先端支持力と荷重沈下関係を予測する簡便な方法を提案しています。
  • 地盤の圧縮性を考慮した空洞拡張理論による支持力評価

■ 無俳土化を目指した合理的な杭形式とその支持力評価(平成10年度~)

  • 本研究では、①無排土率(杭の容積に対する非排土の割合)を高めるための杭基礎形式を実験的・解析的に明らかにし,環境負荷・コスト低減型で支持力改善を効果的に行なえる新たな杭基礎形式を提案すること、②無排土化に伴う支持力改善のメカニズムを反映した評価法とこの評価法を考慮した性能設計の考え方を示すこと、③杭設置過程での周辺地盤への影響を地盤特性と関連付けて明らかにすることを目指しています。①では、低排土・無排土で杭を設置する技術開発はメーカーを中心として、実務的な視点から進められているので、本研究での成果は、産学連携での体系立てた学術的取り組みへと展開できます。②、③では、具体的に杭基礎形式、設置手法の高度化や合理化を可能とし、結果として環境負荷・コスト縮減を実現できる技術革新に繋がると考えています。

    平成18年度鋼構造協会の研究・教育助成事業(一般研究)「低排土・無排土化による杭基礎の支持力改善効果の適切な評価と性能設計への展開」

  • 支持力改善効果と無排土率の関係(予想)

■ 非線形破壊線を考慮した支持力評価法と限界状態設計法への展開(平成16年度~)

  • 現在,基礎の支持力を予測するにあたっては,地盤の粒子破砕や寸法効果,ひずみの局所化などが支持力に著しい影響を及ぼすことが知られており,これらの影響を合理的かつ実用的に考慮する方法が求められるようになりました。
    また,一方で,設計法に関する議論が盛んに行われており,基礎構造物についても性能設計法あるいは限界状態設計法の導入が求められるようになりました。本文では,粒子破砕の影響が破壊線の非線形性として現れることに着目し,塑性論の立場からその影響を考慮できる解析法を提案します。また,この方法で得られた極限支持力をもとに,荷重-沈下関係を予測する簡便な方法を提示し、「多段極限状態設計法」への展開を図ります。
  • 多段極限状態設計法のコンセプト

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