研究概要

研究概要

研究概要
-地盤とそれを構成する土の力学

 

・連続加圧方式による土の保水性試験装置の開発とその適用

  • 不飽和地盤の保水性を直接評価するためには、非常に長い時間と高度な試験技術が必要です。 したがって、私の研究では簡易的な試験方法の開発を行っています。 また、連続加圧方式の適応検討をするために、九州の特殊土の水分特性曲線を求めている。

 

・豪雨や地震による不飽和土のせん断強度

  • 2016年4月16日の熊本地震により阿蘇山周辺で多数の土砂崩れが発生しました。斜面崩壊を引き起こした重要な土の一つは火山灰土の黒ボクです。黒ボクは日本国内の約31%に分布しており、一般的には地下水面上に位置し、不飽和帯に存在していることを意味しています。本研究の目的は、せん断強度と黒ボクの特性を決定し、せん断強度を豪雨や地震による不飽和の斜面安定の予測モデルに適用することです。
          • 地盤とそれを構成する土の力学を明確にすることは、地盤工学に係わる技術において、基礎になるものです。我々の研究室では、この基礎的な研究を大切にして取り組んでいます。地盤工学的技術の中で新たなブレークスルーを生みだしたり、それぞれの技術を支えるメカニズムを明確にし、合理的な評価手法へと展開するために、この基礎的取り組みは無くてはならないものなのです。当研究室では、新たな知を生み出すことを目指した取り組みを精力的に行っています。
  • 最近の研究テーマ
    乾燥地の地盤学の体系化をめざした取り組み(平成19年度~)
    破砕性土の力学的体系化とその実際への応用(昭和58年度~)
    振動場における粒状体の力学と土工施工技術への応用(平成19年度~)
    月面土壌の構成則と「月探査機-地盤系連成解析シミュレータ」の開発(平成19年度~)

    ■ 乾燥地の地盤学の体系化をめざした取り組み(平成19年度~)

    【資料準備中】

    ■ 破砕性土の力学的体系化とその実際への応用(昭和58年度~)

    【資料準備中】

    ■ 振動場における粒状体の力学と土工施工技術への応用(平成20年度~)

    【資料準備中】

    土と異種材料間の摩擦を低減・制御することのできる技術が開発されれば、土を対象とする様々な施工技術(例えば、バックホウやブルドーザによる掘削作業、ボーリングや地盤改良工法における削孔・土工作業、矢板や鋼管杭の貫入など)においてコスト削減、作業効率化に繋がる広範な応用を見込むことができます。

    本研究では、高周波振動を利用して土-剛体間の摩擦低減・制御を可能とする独自技術を新たに提案し、そのアイデアを応用した技術シーズの創出および実用化を目指しています。具体的には、振動によってなぜ摩擦が低減するのかを明らかにする(振動場における粒状体の力学構築)とともに、地盤に応じた最適振動条件を見出すための基礎的実験(摩擦低減の最適化)を経て、その応用研究の一例として、これまでオペレータに頼ってきた経験的手動掘削制御を自動化し、最新の計測・制御工学を駆使した削孔の合理化と次世代型のハイテクボーリングマシンの開発を目指しています。

          • 土中を貫通するブレードの引き抜き実験を行い、ブレードを振動させることで土-ブレード間の摩擦を最大で80%もカットできることなどを明らかになりました。

          • 振動式ボーリングマシンを用いて、掘削時のスラスト、回転トルク、振動加速度、回転数等を計測する試掘実験を行い、熟練オペレータの掘削パターンの数値化・定量評価を試みる実験

    ・平成20年度:研究助成「「振動場における粒状体の力学構築と土工技術への応用」,九州大学大学院工学研究院若手研究者育成研究助成,研究代表者:小林泰三

    ・平成19年度:委託研究「振動・打撃式無水ボーリングの自動制御システム構築と土壌・地下水汚染地盤調査への展開」,(財)九州産業技術センター,九州地域戦略産業イノベーション創出事業,研究代表者:小林泰三

    ・平成19年度~:共同研究「振動型無水ボーリングマシンの自動制御システム構築と土壌・地下水汚染調査への展開に向けたフィージビリティ研究」,㈱東亜利根ボーリング,研究代表者:小林泰三

    ■ 月面土壌の構成則と「月探査機-地盤系連成解析シミュレータ」の開発(平成19年度~)

          • 2004年にブッシュ大統領が発表した米国新宇宙政策をはじめ、欧州、中国、インドなど世界各国の宇宙開発研究組織において、再び月を目指そうという機運が高まってきています。月面探査では、探査機の月面着陸、探査ローバーの走行、地盤の掘削など、月面地盤に関連する作業が数多く見込まれています。

            月面はアグルチネートと呼ばれる特殊な微細粒子を含む土(レゴリスと呼ばれる)に覆われており、物理的にも化学的にも地上の土とは異なる性質を有することが知られています。そのような中、探査ロボットの作業性や安定性を評価する上で、月面土壌の力学特性の把握・評価の重要性への認識が高まりつつあります。本研究では、「月・惑星における土質力学体系の構築」を最終目標とし、月面土壌の力学挙動を表現するための構成則の開発と、それを活用した月面地盤-ロボット系の相互作用に関する挙動予測シミュレータの開発研究を行っています。

            1) レゴリスの力学的特性の把握:地上の土質材料との違いや月環境条件が土の力学挙動に及ぼす影響を実験的に明らかにするとともに、既往の土質力学体系の適用限界を明らかにする。

            2) レゴリスの構成則の開発:月環境下におけるレゴリスの力学挙動を表現できる構成則を開発する。

            3) 地盤系探査ミッションのシミュレータ開発と探査機設計への展開:月面地盤-ロボット系のダイナミックかつ大変形問題に対応できる数値解析手法を開発するとともに、運動・機構解析との連成化を図る。

            4) 探査機の脚系、探査ローバーの走行系に関する解析シミュレーションを行い、宇宙探査ロボットの機構設計の最適化に向けた提案を行う。

          • 月探査のイメージ図(JAXA提供)

            月面土

            人口アグルチネート(模擬土)

            月面土(上)とそれを模擬した人工模擬土(レゴリスシミュラント)。実際の月面土の化学組成や粒度分布、粒子形状などが模擬されている。

    ・平成19年度~:共同研究「月面走行系と月土壌の相互作用の研究」,宇宙航空研究開発機構(月・惑星探査プログラムグループ),研究代表者:小林泰三

    ・平成19年度:受託研究「人工アグルチネートの分析」,清水建設㈱技術研究所,研究代表者:小林泰三

    [関連する研究はこちら]

▲ページトップへ戻る