安福規之
目的
近年のコンピューターの急速な進歩、計算技術の向上は、地盤工学の分野において、地盤材料を非線型として取り扱う安定解析や変形解析を可能にした。この種の非線型解析を精度よく行うためには、地盤材料の変形・強度特性の質の高い理解と適切なモデル化が求められる。この講義では、連続体の力学の枠組みの中でなされれる地盤材料、特に土のモデル化とその適用方法、例えばモールの円を基礎とした下界法およびすべり線法について学ぶ。また、修得した解析法を総合的に活用し、地盤の境界値問題に対して適切な解を導くための素養を身に着ける。
到達目標
1)上界法、下界法、すべり線法の違いを説明できること。
2)モールの応力円とひずみ円および極の考え方を用いて、土圧と支持力の基本的な境界値問題の解を「下界法」、「すべり線法」によって求めることができること。
3)土の限界状態モデルの基本的な考え方を理解し、それに基づいて土の弾性、弾塑性、硬化、軟化および限界状態について説明できること。
講義・演習の内容
授業は、配布するプリントとノート講義および演習を中心として行う。また、発表形式の演習を取り入れる。
履修要件
地盤材料力学を受講し、単位を取得している大学院生。
授業時間
毎週 水曜日 2限目(10:30~12:00)
時間外の学習指導
希望があればいつでも相談に応じます。メールでもかまいません。
スケジュール
内 容 | |
1 | はじめにー破壊の実際/地盤応答に対するアプローチ |
2 | 地盤解析学の基礎(2回)-応力とひずみ/適合条件/モールの円 |
3 | 上下界法、特性応力線とすべり線法の考え方とその利用(5回) |
4 | 弾塑性構成式の基礎理論 |
5 | Cam-Clay モデルとその力学(2回) |
6 | 球空洞押広げ理論とその利用 |
7 | ピサの斜塔ー安定性の評価と対策技術 |
8 | 総合演習 |
成績評価
10回の課題演習の結果および最終レポートの内容とインタビューに基づいて総合的に評価する。
100点を満点として60点以上を合格とする。
教科書
使用しない。
副読本/参考書
・David Muir Wood: Soil Behavior and Critical State Soil Mechanics
・A.M.Britto & M.J.Gunn: Critical State Soil Mechanics via Finite Elements
・W.Powrie: Soil Mechanics-Concepts and Applications
・R.H.G.Parry: Mohr Circles, Stress Paths and Geotechnics
・M.Bolton: A Guide to Soil Mechanics
連絡先
ウエスト2号館11階 地盤工学研究室1124号室 092-802-3378
E-Mail:yasufuku @civil.kyushu-u.ac.jp