九州大学 大学院 防災地盤工学研究室 Geo-Disaster Prevention Laboratory

- 研究紹介 -

研究プロジェクト

コンテナ船の大型化に向けた高圧脱水固化処理工法の開発

放射状排水を用いて製造した高圧脱水ブロックの強度推定のサムネイル

本研究プロジェクトは,九州大学大学院工学研究院海域港湾環境防災共同研究部門の共同研究として,浚渫土砂を「減容化」しつつ「コンクリートに匹敵する強度」という付加価値を有する建設資材等へと再生できる処理工法を開発する。本工法は,熱を利用しない低コスト・低エネルギー成形技術であり,かつ自由度の高い形状の建設資材等の製作が可能であるとともに,浚渫土砂の減容化や埋立処分量を削減する場合にも活用可能である。本研究開発は,我が国の二酸化炭素排出抑制型の船舶輸送を進捗させていく上で大きな課題となっている航路・泊地浚渫土砂の処分について,その効率化や浚渫土砂の有効活用を実現する高圧脱水固化処理工法の現地スケールでの適用を試みる。本研究プロジェクトは,国土交通省の交通運輸技術開発推進制度「交通運輸分野におけるエネルギー・環境問題への対応-さらなる低炭素化等の環境にやさしい交通インフラシステムの開発-」の支援を受けて進めている。

真の粘り強さを付与する地盤改良技術の開発研究

繰返載荷を受けた固化処理地盤の支持力特性に関する研究のサムネイル

気候変動による局所的なゲリラ豪雨や地殻変動の活発化による巨大地震動など狂暴化・複合化する自然外力に対して,地盤の深層崩壊や広域同時多発型斜面崩壊などの地盤災害による死者ゼロを目指した地盤防災技術が希求されている。本研究では,建設副産物の自己硬化性や微生物による強度回復特性を実務レベルにまで加速・強化して,ゲリラ豪雨や巨大地震などにより一旦せん断破壊を受け地盤が,せん断面を自ら「治癒・修復」し,3日以内に90%以上のせん断剛性・強度まで「自己回復」する地盤改良技術の開発を目指す。本技術の開発により,地盤材料は真の粘り強さ「自己治癒・修復・回復性」を有するため,グランドアンカーや部分固化改良などの追加対策が一切不要となり,老朽化するインフラ更新問題から解放され,国土強靭化に向けたメンテナンスフリーな恒久的地盤補強・改良が可能になる。

地震・ゲリラ豪雨に対応できる高速道路法面の新補強技術の開発

排水性補強材を打設した盛土の安定性評価に関する研究のサムネイル

土の中に鋼材やジオテキスタイルなどの補強材を敷設あるいは挿入して土構造物全体を安定させる補強土工法がある。合成高分子材料を使用するジオテキスタイルを用いた補強後工法では,織布・不織布・ネット類・ジオグリッド・ジオメンブレンなどが使用されてきた。本研究プロジェクトでは,地震・ゲリラ豪雨に対応できる高速道路法面の新補強技術の開発をする。